うっ血性心不全
「釣りや山登りを楽しみたい!」
60代・男性
入院までの経緯・患者さんの背景
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入院1か月前から労作時に息切れ・動悸があり、数日前から咳嗽(せきこみ)が見られ、他院からの紹介で当院へ入院した。
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頻脈性心房細動(不整脈)、息切れ、胸水貯留が見られた。
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趣味は旅行や釣り、山登りなどアクティブな方。
リハビリ前(入院時)の患者さんの状況
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日常生活は自立しているが、息切れや動悸によって、運動は難しい状態
リハビリテーション記録
リハビリ期間:約7ヵ月(入院0.5ヵ月、外来6.5ヵ月)
開始~約1週間
【リハビリの内容・目的】
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エルゴメーター 1回10W×10分 2セット:有酸素運動による筋持久力の向上を目指す。
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下肢筋力訓練(スクワット、カーフレイズ)
患者さんの変化・回復
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運動前脈拍90→150と上昇が見られていたが、低負荷高頻度の運動により運動後の大きなバイタルの変動が減少した。
約1週間~約2週間目(退院)
【リハビリの内容・目的】
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7日目:CPX(心肺運動負荷試験)を試行し、運動負荷量の設定、運動耐容能の評価を行う。
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エルゴメーター 1回40W×20分:有酸素運動による筋持久力の向上を目指す。
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マシンを使用した筋力トレーニングを実施。
患者さんの変化・回復
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運動前脈拍70~80台→100台で運動可能。
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筋力アップに伴う、運動耐容能の向上。
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連続歩行に伴う、息切れ・疲労感の消失。
退院後~外来(週3回)約半年
【リハビリの内容・目的】
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CPX(心肺運動負荷試験)を1ヵ月置きに2回実施。
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心不全手帳に日々の血圧、食事、運動量などを記入してもらい、外来時にチェック・アドバイスを行う。
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マシンを使用した筋力トレーニングを継続。
患者さんの変化・回復
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心臓の薬は継続して服用中。外来以外でもジムへも行き、運動を継続している。
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今回の入院・リハビリが生活習慣を見直すきっかけとなり、退院後も運動を継続している。その結果、ダイエットにも成功。
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旅行を楽しめる位まで体力が回復。
リハビリ後、患者さん・ご家族が喜んでいたこと
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CPX(心肺運動負荷試験)によって、運動能力の改善が「数値」として見えたことで、良くなっていることが分かって嬉しい。
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運動を継続したことで、体重が減って嬉しい。去年履けなかったズボンが履けるようになった。
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持病の腰痛も改善している。
スタッフコメント
短い入院期間であっても、ずっとベッドにいる状態が続くと筋力が落ちてしまうため、不整脈の治療(服用)を行いながらも早くからリハビリに取り組んでいただきました。もともと、釣りや登山に出掛けたりとアクティブに動かれていた患者さんで、ご本人のモチベーションも高く、退院後も外来にて積極的にリハビリを行っていただいています。
今回の入院をきっかけに、患者さんご自身が「運動の効果」を実感したことが、生活習慣を見直すきっかけにもつながったように思います。これからも、楽しく、運動を続けていきましょうね!
理学療法士 Tさん
※症例は2019年3月時点のものです。
※掲載している写真はイメージです。