脳梗塞
「漁師に復帰したい」
60代・男性
入院までの経緯・患者さんの背景
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脳梗塞を発症し、救急要請にて入院。急性期病院にて約1ヵ月入院・治療し、リハビリ目的で当院へ転院。
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脳梗塞による左片麻痺
リハビリ前(入院時)の患者さんの状況
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基本動作は可能であったが、車いすを使用して移動していた。
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右手(非麻痺側)で食事・整容の一部はできていたが、介助が必要な場面が多かった。
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左上下肢(麻痺側)は脱力状態であり、実用性に乏しかった。
リハビリテーション記録
リハビリ期間:約3ヵ月
開始~約2週間
【リハビリの内容・目的】
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筋力訓練
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短下肢装具を使用し、歩行訓練を行う。(平行棒)
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TENS治療(低周波治療)を3日目から開始
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HAL®(上肢)を4日目から開始
患者さんの変化・回復
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下肢へのTENS治療後、背屈運動・足指伸屈運動が一部可能となる。
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転院後、1週間程で装具処方し、2週間目で完成。杖歩行ができるようになる。
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上肢は、肩・肘関節の随意性の向上がみられてきた
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下肢に比べ、上肢の方が筋力低下・随意性の低下がみられる
約3週間目~
【リハビリの内容・目的】
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筋力訓練を継続
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歩行訓練(装具有り・無し両方)を継続。
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TENS治療継続
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入浴訓練を実施
患者さんの変化・回復
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歩行能力の向上が見られ、装具無しでも杖歩行が可能となる。
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上下肢共に筋力の向上が見られ、上肢においても肩・肘の分離も可能になる。
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わずかに手指の分離が得られている。
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日常生活においては、杖歩行で概ね自立する。
約8週間目~現在
【リハビリの内容・目的】
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巧緻性課題(上下肢)を追加
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筋力強化メニューを追加
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自主練習を追加
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TENS治療継続
患者さんの変化・回復
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病院内を杖移動できるようになる。
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病棟でもほぼ自立した生活が可能となっている。
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独歩の練習にも取り組んでいる。
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上肢の筋力が向上し、肩・肘関節の随意性が向上。
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手指が集団屈伸できるようになる。
リハビリ後、患者さん・ご家族が喜んでいたこと
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転院時は全く動かなかったのに、こんなに動くようになったので、もっとリハビリを頑張りたい。(ご本人)
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初めて指が動かせるようになった時は、声を上げるほどびっくりした。(ご本人)
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お見舞いに来る度に、回復しているので驚いている。(ご家族)
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とてもリハビリに力が入っている病院で、(自宅は盛岡市外ですが)盛岡まで来てよかった。(ご家族)
スタッフコメント
転院後、数日後には身体に変化が見られていたので、積極的に強化リハを進めた結果、大きな改善が見られたのでうれしく思います。
早期に歩行を獲得したことで、日常生活動作の訓練に取り組むこと、より巧緻性を高める訓練ができています。まだ上肢の麻痺が残存していますので、退院までの期間で、復職できる位の回復を目指していきたいです。
作業療法士 Tさん
※症例は2019年3月時点のものです。
※掲載している写真はイメージです。