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急性大動脈解離・脳梗塞 など

「一家の大黒柱として復職したい」

40代・男性

入院までの経緯・患者さんの背景

  • 仕事中に胸痛・腰痛・歩行困難が出現し、緊急搬送。

  • 急性期病院にて「急性大動脈解離」と診断され手術を行う。急性期病院に約3ヵ月入院し、その経過中に、脊髄梗塞(疑い)、脳梗塞の発症、腎機能低下なども生じる。

  • 上記による、両下肢運動麻痺、廃用症候群による全身の筋力低下が残った状態で当院へ入院。

  • 嗄声(声のかすれ)もあった。

  • 40代、お子さんもいるため復職を希望

リハビリ前(入院時)の患者さんの状況

  • リハビリ以外はほぼベッドでの生活。

  • 排泄を含め、その他全て介助が必要な状態。

  • 車いすに移ることも介助が必要な状態。

リハビリテーション記録

リハビリ期間:5ヵ月+外来3ヵ月(2~3回/週)

開始~約2週間

【リハビリの内容・目的】

  • 両側に短下肢装具を着用し、歩行訓練を開始。

  • マシンを使用した有酸素運動、重すいや徒手抵抗を使用した筋力増強訓練を並行していった。

  • 計算問題、地図を使った課題などの机上訓練、PC訓練、発声訓練を実施。

患者さんの変化・回復

  • 約2週間のリハビリで、右下肢筋力が向上。左下肢用の短下肢装具のみご本人用として作製。

  • 車いすへの移動は自分でできるようになった。

  • 歩行はできず、トイレでの排泄がまだ難しい状況。

約1ヵ月~3ヵ月

【リハビリの内容・目的】

  • 4点杖を使用した歩行練習⇒T字杖⇒独歩へと移行。(訓練以外ではT字杖を使用)

  • ウォークエイドを使用した左下肢筋力増強訓練で、随意的に左足関節を動かす力が向上。

  • 入浴訓練を開始。

  • ドライバーテストを実施。

  • 机上課題、PC課題を継続。

患者さんの変化・回復

  • 左短下肢装具を着用し、 T字杖を使用して院内を一人で歩けるようになった。

  • 独歩ではつまづきが見られるため、見守りが必要な状態。

  • 発声、机上課題遂行能力が向上。

約3ヵ月~5ヵ月、外来通院(3ヵ月)

【リハビリの内容・目的】

  • 高負荷マシンを使用した筋力増強訓練。

  • 装具なしの歩行訓練。

患者さんの変化・回復

  • スニーカーとT字杖で院内を一人で歩けるようになった。

  • 自主訓練に取り組めるようになった。

  • 階段昇降、入浴ができるようになった。

  • 運転免許センターで運転免許を取得できた。退院後、自動車学校で実践練習後、公道での運転を開始。

  • 退院1週間後から、短時間通勤開始。

リハビリ後、患者さん・ご家族が喜んでいたこと

  • 復職・運転の目標が叶えてよかった!(ご本人)

  • 運転ができるようになるとは思っていませんでした。(ご家族)

スタッフコメント

若年であり、一家の大黒柱として復職を目指していたため、ご本人と常に目標を共有し、訓練がつらい時も励ましながらリハビリに取り組みました。

早期からの装具療法が歩行能力向上に功を奏したと考えられます。また、トレーニングマシンやウォークエイドを用いることで、さらなる筋力向上につながりました。

 

患者さまには、今後も運動を継続して行っていただき、健康な体でご家族を支え続けていただきたいと思います。

理学療法士 Oさん

※症例は2019年3月時点のものです。

​※掲載している写真はイメージです。

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