胸髄症
「トイレに一人で行けるようになりたい」
80代・女性
入院までの経緯・患者さんの背景
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昨年の夏より腰痛・両下肢のしびれがあり、秋頃に症状が増悪する。
歩行困難となり急性期病院へ入院・手術。 -
術後、神経症状(麻痺)が残り、1カ月ほどの入院を経て当院へ転院。
リハビリ前(入院時)の患者さんの状況
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おへそから下の感覚がない状態。
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立ち上がることができず、車いすへの移動も介助が必要。
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食事は自立していたが、移動・更衣・整容など全て介助が必要。
リハビリテーション記録
リハビリ期間:約1.5ヵ月
開始~約1ヵ月
【リハビリの内容・目的】
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装具を付け、歩行訓練を行う。(介助2人)
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大腿四頭筋・殿筋を使った筋力トレーニング
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腕の筋力トレーニング(上腕三頭筋、三角筋、大胸筋、広背筋など)も並行して実施
患者さんの変化・回復
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立ち上がり、移乗動作が一人でできるようになった。立位保持はまだ難しい。
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上肢を使用して立位保持可能。立ち上がる際に下肢のみでなく、上肢を支えに使えるようになった。
約1ヵ月~1.5ヵ月
【リハビリの内容・目的】
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歩行訓練、腕の筋力トレーニングを継続。
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服を着替える訓練。トイレでのズボンの上げ下ろしの練習など
患者さんの変化・回復
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一人でトイレに行けるようになった。
服を脱ぐ、着るが自立できた。 -
自分で車いすへ乗り移りして病棟内を移動できるようになった。
リハビリ後、患者さん・ご家族が喜んでいたこと
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立つことやトイレが自分で出来るようになるとは思わなかった。
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歩く練習までやっていただけるとは思わなかった。
スタッフコメント
「トイレに一人で行く」ためには、車いすへ移動する、立ち上がる、ズボンや下着を下げる・上げるといった全身の動作が必要です。麻痺のある下半身だけでなく腕の筋力トレーニングも重視したリハビリを行っています。障害を受容することは簡単にはできないものだと思いますので、メンタル面のサポートも大切にしています。
入院期間中にどれくらい回復するのかによって、退院後の生活が変わってきますので、患者さん・ご家族のお考えを常に共有しながら、一つでも「良くなった」と実感することを一緒に増やしていければと思っています。
理学療法士 Yさん
※症例は2019年3月時点のものです。
※掲載している写真はイメージです。